「ふりかえりって、実際なにをするの?」。そう聞かれることがよくあります。このページでは、とある会社の3人チームが初めてのふりかえりを30分でやってみた様子を、そのまま見学してみましょう。読むのにかかるのは2〜3分です。
登場するのは、こんなチーム
とある会社の販促チームです。リーダーの田中さん、入社2年目の佐藤さん、頼れる中堅の鈴木さん。3人はこの3週間、製品説明会の準備に走り回っていました。資料を作り、案内メールを送り、会場を手配して、当日はほぼ満席。無事に終わった翌週、田中さんが言いました。「30分だけ、ふりかえりをしてみない?」

はじめに:目的をひとこと宣言する(1分)

最初にやることは、ひとつだけ。今日の目的を宣言することです。ふりかえりと聞くと「反省会」を想像して身構える人が必ずいます。だからこそ最初に「うまくいかなかった犯人を探す場ではなく、次の仕事をラクにするための作戦会議だ」と言葉にします。あわせてルールをひとつだけ決めました。「人ではなく、出来事の話をする」。これだけで、場の空気はずいぶん柔らかくなります。
出来事を思い出す(書く5分+共有7分)

いきなり「意見をどうぞ」と言われても、なかなか出てきません。そこで最初の5分は、しゃべらずに、あったことを付箋に書く時間にします。良かったか悪かったかはまだ考えません。「案内メールを配信した」「資料をv3まで更新した」のように、出来事をそのまま書きます。
書き終えたら、7分かけて1枚ずつボードに貼りながら共有します。
書いてから話す。この順番がポイントです。声の大きい人だけの会にならず、佐藤さんのような若手の手元にも、ちゃんと付箋がたまっていきます。
良かったこと・困ったことを話す(書く5分+共有5分)
出来事のボードを眺めながら、今度は「良かったこと」「困ったこと」を、また5分だけ黙って書きます。そして1枚ずつ貼りながら共有します。「毎朝5分の共有、あれ良かったよね」「たたき台を早めに見せ合えたのも」。良かったことから始めると、思った以上に出てくるものです。
困ったことの共有に移ると、佐藤さんの手が止まりました。

説明会の資料は、完成イメージのすれ違いで2回作り直しになっていたのです。ここで田中さんが最初のルールを思い出させます。「人じゃなくて、仕組みの話をしよう」。付箋に書くのは「私が悪かった」ではなく「認識がずれて、資料を2回作り直した」という出来事。そう書き換えたとたん、「じゃあ、ずれない仕組みを作ればいいんだ」と、話が前を向きはじめました。ここが、ふりかえりのいちばん大事な瞬間です。
次に試すことを、ひとつだけ選ぶ(5分)
困ったことが見えたら、「次に試すこと」を出し合います。3つのアイデアが出ました。全部やりたくなりますが、そこはぐっとこらえてひとつだけ選びます。欲張ると、結局どれも実行されないからです。

選ばれたのは「依頼されたら、最初に手書きのラフを見せて認識を合わせる」。明日から試せて、作り直しの痛みに直接効くアイデアです。
おわりに:一言ずつ感想(2分)
最後に、今日のふりかえりの感想を一言ずつ。「反省会じゃなかったですね」と佐藤さん。「30分でこれなら、毎週やれそう」と鈴木さん。これで終了です。かかった時間は、きっちり30分でした。
このふりかえりの中身
今日の3人がやったのは、KPTという定番の手法をベースにした、いちばんシンプルな流れです。
- はじめに:目的とルールをひとこと(1分)
- 出来事を思い出す(書く5分+共有7分)
- 良かったこと・困ったこと(書く5分+共有5分)
- 次に試すことを、ひとつだけ(5分)
- 一言ずつ感想(2分)
道具はホワイトボード(模造紙でもOK)と付箋とペンだけ。リモートのチームなら、MiroやFigJamなどのオンラインホワイトボードツールを使っても、同じように進められます。完璧にやる必要はありません。まずひとつ試して、来週また30分だけ集まる。それだけで、チームは少しずつ変わっていきます。
- 続きを読む:ふりかえりで、何が変わるの?(入門ガイド)
- 今日の手法をくわしく:KPT / KPTA
- 自分のチーム向けの流れを作る:ふりかえりを作る(アジェンダ作成ツール)
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