研修や勉強会の学びが残らないのは、その日のうちにふりかえっていないから
2026-09-09 ・ 元記事: Qiita
研修や勉強会に参加したあと、こんな経験はないでしょうか。当日はたくさんメモを取って、頭がいっぱいになって帰る。ところが1週間後、何を学んだのかを人に説明しようとすると、キーワードは出てくるのに中身が出てこない。
5日間のオンライン研修を受けたことがあります。朝から夕方まで詰め込まれる形式で、内容は濃いものでした。ただ、そのとき残ったものの多くは、研修中ではなく研修が終わったあとの時間から来ています。
受講者同士で、毎晩21時ごろから、その日の研修のふりかえりをしていました。誰かに言われたわけではなく、自然とそうなりました。日によっては日付が変わるまで話し込んでいます。今ふりかえると、あれをやっていなければ、5日ぶんの内容はほとんど残らなかったと思います。
なぜ、その日のうちなのか
学んだことは、時間が経つほど「自分の言葉」に変換しにくくなります。当日なら、講師の言い回しも、隣の人の反応も、自分がどこで引っかかったかも覚えています。1週間後に残っているのはメモの文字だけで、そのときの引っかかりは消えています。
ふりかえりで大事なのは、情報を保存することではなく、引っかかりを言葉にすることです。「ここが腑に落ちなかった」「ここは自分の現場と違う」という感覚は、その日のうちにしか取り出せません。
何を話していたか
特別な手法は使っていませんでした。だいたい、次のような話をしていました。
- 今日いちばん引っかかったのはどこか
- それは自分の現場だとどうなっているか
- 明日、講師に聞いてみたいことは何か
- 今日の内容で、まだよく分かっていないところはどこか
4つ目が効きます。研修中は分かった気になりやすく、質問が出てきません。夜になって人に説明しようとすると、説明できない箇所がはっきりします。翌日の研修で聞くことが決まるので、次の日の受け方まで変わります。
一緒に受けた人とやると、持ち帰るものが増える
同じ話を聞いていても、引っかかる場所は人によってまるで違います。自分が流していたところを、別の人が「あそこが今日いちばん大事だった」と言うことがあります。そこで初めて、自分が何を聞き逃していたのかが分かります。
これは、チームのふりかえりで起きることとまったく同じです。同じスプリントを過ごしていても、見えていたものは人によって違う。だから集まって話す価値があります。
一緒に受けている人がいるなら、その日のうちに30分だけ話す時間を作ってみてください。オンラインなら、終わったあとにそのまま少し残るだけでできます。
「知っている話」が出てきたときの構え
もうひとつ、研修を受けるときの構えの話をしておきます。
自分で調べて学んでいる人が研修に出ると、知っている内容が多くて物足りないと感じることがあります。新しい情報を得ようとして参加すると、そうなりがちです。
そういうときは、情報を取りに行く姿勢から、人とのやりとりで深める姿勢へ切り替えるとうまくいきます。知っている内容が出てきたら、それを他の受講者がどう受け取ったかを聞く。自分の現場での失敗談を話してみる。講師に、書いてあることの背景を聞く。
知っていることと、人に説明できることと、現場で使えることは、それぞれ別物です。研修は、その差を埋める場として使えます。
ひとりで受けたときの5分版
一緒に受けた人がいない場合でも、その日のうちに5分だけ取ってください。書くのは3つです。
- 今日、いちばん引っかかったこと(内容ではなく、自分の反応を書く)
- それは今の自分の現場だとどうなっているか
- 明日、ひとつだけ試すとしたら何か
3つ目は、必ず1つに絞ってください。5日間の研修から10個の実践項目を持ち帰ると、たいてい0個になります。1つに絞れば、少なくとも1つは残ります。
書く場所は、メモアプリでも紙でもかまいません。研修の翌週にもう一度読み返せる場所であることだけが条件です。
学びは、受けた時間ではなく、話した時間に比例する
研修そのものの質が高いのは前提として、そこから何が残るかは、受けたあとに何をしたかでほとんど決まります。
これは研修に限りません。カンファレンス、勉強会、読書、社内の講習。どれも同じで、聞いた直後に誰かと話すか、書き出すかをしたものだけが残ります。
ふりかえりの手法を使いたい場合は、YWTがこの用途に向いています。やったこと・分かったこと・次にやることの3つだけなので、5分で書けます。ひとりでのふりかえりの進め方は、ひとりで5分から始めるふりかえりもあわせてどうぞ。