ひとりで

1日5分、ひとりふりかえりの始め方

2026-08-01

ふりかえりを始めたいけれど、チームに提案するのはハードルが高い。そんなときは、ひとりで始めてしまいましょう。ひとりのふりかえりは、誰の許可も、会議室の予約も、他の人の時間もいりません。今日の終わりに5分あれば、それだけで始まります。

3行だけ書く

使う型はYWTがおすすめです。Y(やったこと)・W(わかったこと)・T(つぎやること)の3つを、それぞれ1行ずつ書きます。たとえばこんな具合です。

  • Y:見積もりのレビュー会に出た。想定より30分オーバーした
  • W:前提の共有だけで20分使っていた。資料を先に配れば削れたかもしれない
  • T:明日の定例は、前日夕方に資料をチャットへ投げておく

これだけです。凝った書式も、きれいな文章もいりません。

KPTではなくYWTをすすめるのには理由があります。KPTのProblem(問題)は、ひとりで書くと「自分のダメだったところリスト」になりやすいのです。YWTは事実から始まって学びに進むので、前向きに続けやすくなります。

5分の使い方

時間の目安は、Yに2分、Wに2分、Tに1分です。

いちばん大事なのはYを先に書ききることです。人はいきなり「学び」を書こうとすると手が止まります。まず起きたことを並べる。並べると、その中から自然と「これは書き留めておきたい」というものが浮かび上がってきます。

Wが出てこない日は、Yを眺めて「予想と違ったのはどれか」を探してみてください。予想どおりだったことからは学びは生まれにくく、ずれたところに気づきが埋まっています。

置き場所を決める

続くかどうかは、内容より置き場所で決まります。毎日必ず開くものの中に置いてください。日報の末尾、メモアプリの固定メモ、手帳の右ページ、チャットの自分専用チャンネル。どれでも構いません。

避けたいのは「ふりかえり専用のきれいなノート」を新調することです。専用の場所は、開くという行為がひと手間になります。すでに開いているものに間借りするほうが、圧倒的に続きます。

続かない日があっていい

毎日きちんと3行、と決めると、忙しい日や体調の悪い日に破綻します。そして1日飛ばすと「昨日の分もやらなきゃ」と負債感が生まれ、そこで終わります。

最悪1行でいい、と最初に決めておきましょう。「今日は疲れた」でも構いません。溜めてから一気に書くより、細く長く続けるほうが確実に効きます。ふりかえり警察はいません。

Tについてもうひとつ。思いついたらその場でやるのがおすすめです。5分の中で終わることなら、書いた直後に実行してしまう。時期が来ないとできないことは、その場でカレンダーに入れて「日付が来たらやるだけ」の状態にする。持ち越しリストを育てないのがコツです。

1週間続いたら

7日分たまったら、週末に読み返してみてください。1日単位では見えなかったものが見えてきます。同じWが3回出ていたら、それはもう気づきではなく、向き合うべきテーマです。

読み返しを何度かやると、今度は自分の視点の偏りに気づきます。仕事の成果のことばかり書いている、感情をひとつも書いていない、といった具合です。そのときはひとりでふりかえるための15の「観点」を眺めて、いつもと違う角度から書いてみてください。

チームに持っていくとき

ひとりのふりかえりが2〜3週間続くと、不思議なもので、チームでもやりたくなってきます。そのときは、いきなり「ふりかえりをやりましょう」と提案しなくても大丈夫です。

打ち合わせの最後の5分で「せっかくなので、今日よかったことと次に変えることを1つずつ言いませんか」と声をかけるところから始められます。イベント直後の5分ふりかえりは、定例のふりかえりより先に始められる形です。

そして「集まって話すと良いことがある」という感触が共有できたら、30分のふりかえりへ進みましょう。

まずは今日の終わりに、3行だけ。それが、いちばん小さくて、いちばん確実な始め方です。