ふりかえりの空気は「つくれる」:場をデザインする手法DPA
2026-07-27 ・ 元記事: Qiita
ふりかえりの「空気」、あきらめていませんか
ふりかえりの場が重い。発言が出ない。誰かの報告会になっている。
そんなとき、多くのチームは「うちのメンバーはそういう性格だから」とあきらめてしまいます。でも、場の雰囲気は性格ではなく、設計でつくれます。そのための手法が、今回紹介するDPA(Design the Partnership Alliance)です。
出典はリーダー塾。所要時間は5〜15分と短く、ふりかえりの冒頭に組み込みやすい手法です。
DPAの目的
DPAでやることをひとことで言えば、「どんな雰囲気でふりかえりたいかを、みんなで決める」です。これによって3つのことが起こります。
- チームにとって望ましい場・雰囲気を、意識的・意図的にデザインできる
- 場に対する責任を全員で分かち合う状態がつくれる
- 関係を保つための、目に見える行動基準ができる
ポイントは2つ目です。ファシリテーターひとりが場の空気を背負うのではなく、「この場の空気は全員でつくったもの」という共同所有の感覚が生まれます。
やり方
まず導入として、「今回(これ以降)のふりかえりをどんな雰囲気で行っていきたいか、みんなで話し合ってから進めます」と宣言しましょう。
そのうえで、次のような問いについて自由に発言してもらいます。問いは多くても3つほど、問い1つにつき3〜5分が目安です。
- どんな雰囲気を作り出したいですか?
- その雰囲気を作り出すために、どんなことをしますか?
- 困難なとき、お互いにどのようにありたいですか?
- この関係にどのようなものが持ち込まれると、さらに豊かになりますか?
- あなたは個人として、この関係にどんな貢献をしますか?
出てきた意見のなかから、全員が合意できるものを選びます。メンバーが多い場合は賛成・反対で確認しても構いませんが、多数決で決めないこと。全員が賛成できるものだけを採用しましょう。1人でも引っかかる人がいるルールは、その人にとって「押し付けられたルール」になってしまいます。
準備するものは、付箋(問いの数だけ色を分ける)、人数分のペン、意見を貼るホワイトボード。ホワイトボードにはあらかじめ問いを書き、問いの数だけセクションを区切っておくとスムーズです。
合意を「壁の飾り」にしないために
DPAで一番もったいないのは、せっかく作った合意が忘れ去られることです。2つのコツがあります。
1つ目は、毎回目に入る場所に置くこと。合意した内容は全員の目につく場所に掲示し、ふりかえりのたびに冒頭でさっと確認しましょう。定期的に見直してアップデートするのも大切です。チームは変化するので、半年前の合意が今も最適とは限りません。
2つ目は、注意の仕方をやわらかくすること。合意を破っている人がいたら、メンバー同士で注意し合います。ただし口頭で叱るのではなく、無言で合意事項を指差す、笑いながら指摘する、といった関係性を崩さない注意の仕方を心がけてください。「約束したよね?」と詰めるための道具ではなく、笑って軌道修正するための道具です。
まずは次のふりかえりの冒頭5分で
DPAは、ふりかえりが初めてのチームにも、マンネリ化してきたチームにも効きます。新しいチームなら最初の約束づくりとして、続いているチームなら「そういえば、どんな場にしたいか話したことなかったね」という仕切り直しとして。
次のふりかえりの冒頭5分、「今日はどんな雰囲気でやりたい?」のひとことから始めてみてください。それだけで、場の空気は変わり始めます。