ラウンドロビン(らうんどろびん)
Round Robin
全員が順番に、1人ずつ発言していく進め方。声の大きい人に場を持っていかれず、どの意見も同じ重さで扱えます。
進め方
- 発言の順番と、ひとり分の持ち時間(30秒程度)を決める
- 1人1つずつ、順番に出していく
- 同じ意見を持っていた人は割り込んで、「私もこれを思っていました」と自分の付箋を場に出す
- 同じ意見が出尽くしたら、次の人へ回す
- 全員が出し切ってから、まとめて話し合う
いいところ
- 発言量が人によって偏らず、全員の意見が場に出る
- 同じ意見が割り込みで集まるので、出しながらグルーピングが進む
- 手法ではなく進め方なので、どのステップにも重ねて使える
手法のポイント
- 同じ意見は割り込んで出す。「私もこう思っていました」と自分の言葉で伝えると、その場でグルーピングが進む
- 議論は一周し終わってから。質問や反論をその場で挟むと、まだ出していない人の番が遠のく
- パスを最初に許可しておく。無理に絞り出させると、その人にとって発言が罰になる
- 毎回同じ人から始めない。1番目と最後では、出せる内容がかなり変わる
本文中の時間はサンプルです。人数や状況に合わせて調整してください。
詳しいやり方
ラウンドロビンは、それ単体で完結する手法というより、ほかの手法に重ねて使う進め方です。KPTでもYWTでも、付箋を貼ったあとの共有をラウンドロビンにする、という使い方をします。
- 発言の順番と、ひとり分の持ち時間を決めます(ひとり30秒程度が目安)
- 1人1つずつ、順番に出していきます
- 同じ意見を手元に持っていた人は、順番を割り込んで「私もこれを思っていました」と、自分の付箋の内容を話しながら場に出します
- 同じ意見が出尽くしたら、次の人へ回します
- 全員が出し切ってから、まとめて話し合います
3の割り込みがこの進め方の要です。同じ意見が一箇所に集まっていくので、出しながらグルーピングが進みます。オンラインなら、画面に並んだ順や、名前の五十音順で回すと迷いません。
進め方のポイント
割り込みと議論は別物です。「私もこれを思っていました」という割り込みは歓迎します。同じ意見がその場でまとまり、あとで付箋を並べ替える手間が消えるからです。このとき、ただ「同じです」で済ませず、自分の言葉で内容を話してから貼りましょう。同じ言葉でも、なぜそう思ったかは人によって違います。そこがいちばん面白いところです。
一方で、議論は一周し終わってからにします。誰かの発言に「それってどういうこと?」と反応した瞬間、そこで話が始まり、まだ出していない人の番は遠のきます。ラウンドロビンが防ごうとしているのは、まさにそれです。気になったことはメモしておいて、あとで聞きましょう。
パスを最初に許可しておくことも忘れずに。「順番に必ず何か言う」という圧がかかると、発言が義務になり、その人にとってふりかえりが苦しい時間になります。「無ければパスで大丈夫です」と最初に言っておくだけで、場の緊張が変わります。
毎回同じ人から始めないのもコツです。1番目の人は白紙の場に投げることになり、最後の人は他の人の意見を全部聞いたうえで話せます。難易度がまったく違うので、順番は回しましょう。
人数が多いときは要注意です。10人で1人1分なら、一周するだけで10分かかります。7〜8人を超えるなら、いったん小グループに分けてから、代表がラウンドロビンで持ち寄る形にするほうが現実的です。
似ている手法との使い分け
質問の輪は、輪になって順番に答えるという点で同じ形をしていますが、あちらは「次に取り組むべきことは何か」という問いが決まっているぶん、アクションを決める場面に特化しています。ラウンドロビンは問いを選びません。
みんぐるも全員が話す手法ですが、こちらはペアを次々に替えていくので、全体で共有されないという違いがあります。場を温めるのがみんぐる、全員の意見を場に出すのがラウンドロビンです。
意見を出しきったあと、多すぎて絞れないときはドット投票やRoman Votingに渡すときれいにつながります。ラウンドロビンは「全員から均等に集める」ところまでを受け持ち、そこから先の優先順位付けは投票系の手法の仕事です。
源流
進め方としてのラウンドロビンを定式化したのは、André L. DelbecqとAndrew H. Van de Venが1971年に発表したノミナルグループ技法(NGT)です。NGTは「沈黙して各自で書く → ラウンドロビンで1つずつ読み上げる → 内容を明確にする → 投票する」という4段階からなり、その第2段階がこれにあたります。1975年の書籍『Group Techniques for Program Planning』で詳しく解説されました。
Delbecqらは、順番に回すという機械的な形式そのものに意味があると書いています。2周目・3周目に入るころには、全員が「発言する人」としてその場に存在している状態になる、という趣旨です。最初は気の進まなかった人も、順番が回ってくる経験を重ねるうちに参加者になる。ふりかえりで使うときも、この効き方は変わりません。
なお「ラウンドロビン」という言葉そのものは、もっと古くからあります。語源として知られているのは、17〜18世紀のフランスで、国王への嘆願書に名前を円形に並べて署名したという話です。署名の先頭に名前が来た者が処罰されたため、誰が首謀者か分からないようにした、という説明がされます。
順番に一巡させるという道具立てが、もともと「誰かひとりが矢面に立たないようにする」ために生まれたというのは、ふりかえりでの使い方とよく響きます。最初に発言した人だけが目立つことも、最後の人が言い出せずに終わることもない。全員を同じ位置に置くための仕組みです。
Miro版カタログでこの手法を使う →ふりかえりカタログのMiroボード(誰でも利用OK)が開きます
「やってみた!」は同じ手法に週1回まで。カタログの「みんながやってる手法」に反映されます
もっと詳しく(出典・参考書籍)
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出典:ふりかえり実践会「ラウンドロビン」https://hurikaeri.jp/catalog/round-robin/(びば/森一樹) 原典:Group Techniques for Program Planning(André L. Delbecq・Andrew H. Van de Ven・David H. Gustafson)(1975) 普及・波及:ノミナルグループ技法(NGT)の第2段階として定式化され、会議・ワークショップの進め方として広まった
みんなの実践メモ
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