ボックスにしまう(ぼっくすにしまう)

手法考案:びば(森一樹)

ふりかえりを始める前に、いま抱えているもやもやや気がかりを付箋に書き出し、共有してから「ボックス」にしまう手法。頭の外に出してから本題に入れるので、目の前のふりかえりに集中できます。

⏱ 5〜10分 2人〜 難易度:かんたん

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ボックスにしまう 手法のイメージ
手法のイメージ

進め方

  1. ふりかえりの冒頭に、いま気になっていること・もやもやしていることを付箋に書いてもらう(1人1〜3枚、2〜3分程度)
  2. 1人ずつ、書いたものを短く共有する。深追いはせず、聞くだけにとどめる
  3. 共有が終わったら、全員の付箋をボードの一角にまとめる
  4. その上に大きな付箋や紙をかぶせて「ボックスにしまいました」と宣言し、本題のふりかえりに入る
  5. ふりかえりの最後に、ボックスを開けるかどうかをチームで決める(開けずに終わってもよい)

いいところ

  • 気がかりを頭の外に出してから始められるので、本題に集中しやすくなる
  • 話す場がないまま抱え込んでいたことに、短時間で光が当たる
  • 「いまは扱わない」と全員で合意できるので、脱線せずに済む

手法のポイント

  • 共有の場では解決しようとしないこと。聞くだけ、と最初に宣言しておこう
  • ボックスは比喩なので、道具は要らない。付箋を重ねる、紙をかぶせる、枠で囲うだけで十分
  • しまったものを無かったことにしない。最後に開けるか決める時間を必ず取ろう

本文中の時間はサンプルです。人数や状況に合わせて調整してください。

詳しいやり方

ふりかえりの場に座っていても、頭の中は別のことでいっぱい、ということがあります。午後の障害対応が気になっている。さっきの打ち合わせの一言が引っかかっている。夕方までに出す見積もりが終わっていない。そういう状態で「この2週間をふりかえりましょう」と言われても、意識はなかなか戻ってきません。

この手法は、その気がかりをいったん頭の外に出してから始めるためのものです。

1. 書き出す(2〜3分)

冒頭に、いま気になっていること・もやもやしていることを付箋に書いてもらいます。1人1〜3枚くらいが目安です。

ふりかえりに関係することでなくてかまいません。むしろ、関係ないことのほうが厄介です。関係のあることは本題の中で扱えますが、関係のないことは行き場がないまま頭に残り続けるからです。

2. 共有する(3〜5分)

1人ずつ、書いたものを短く共有します。ここでいちばん大事なルールは「解決しない」ことです。

「それ、こうすればいいんじゃない?」が始まった瞬間に、この時間は本題を圧迫する打ち合わせに変わります。今日は聞くだけです、と先に宣言してください。聞いてもらえた、というだけで、もやもやはかなり軽くなります。

3. しまう(1分)

共有が終わったら、全員の付箋をボードの一角に集めます。そして、その上に大きな付箋や紙をかぶせて、「はい、ボックスにしまいました」と宣言します。

ボックスは比喩です。箱を用意する必要はありません。付箋を重ねる、紙をかぶせる、枠で囲って「BOX」と書く。それだけで十分に機能します。大事なのは、しまうという動作を全員で目撃することです。

4. 本題に入る

ここからは、いつものふりかえりです。心をクリアにした状態で、目の前のテーマに集中できます。

5. 最後に、開けるかどうかを決める

ふりかえりの終わりに1分だけ、ボックスに戻ってください。「開けますか、そのままにしますか」とチームに聞きます。

開けずに終わっても、まったく構いません。大事なのは、しまったものを無かったことにしないということです。開けないと決めるのも、チームの合意です。

なぜ「しまう」のか

気がかりを消すのではなく、置き場所を作るのがこの手法の狙いです。

「気にしないで集中しましょう」と言われても、人は気にするのをやめられません。でも、「ここに置いておいて、あとで戻ってきます」と決まっていれば、いったん手放せます。頭の中で握り続ける必要がなくなるからです。

同じ理由で、しまう前の共有も省略しないでください。誰にも言わずに自分の中でしまうのと、一度みんなに聞いてもらってからしまうのとでは、軽さがまるで違います。

こんなときに

  • 忙しい時期で、全員が何かを抱えたまま集まっているとき
  • 直前に大きな出来事(障害、リリース、揉めごと)があったとき
  • ふりかえりの本題と関係のない話に、毎回脱線してしまうチーム
  • リモートで、参加者が何を考えているのか読み取りにくいとき

逆に、チームが落ち着いていて、みんな身軽な状態のときには要りません。毎回やる必要のある手法ではないので、場が重そうな日に取り出してください。

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この手法を紹介するときは

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出典:ふりかえり実践会「ボックスにしまう」https://hurikaeri.jp/catalog/box-ni-shimau/(びば/森一樹)
手法考案:びば(森一樹)

みんなの実践メモ

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