チームビルディング

組織のふりかえりに、上司へフィードバックする時間をつくる

2026-10-16 ・ 元記事: Qiita

進め方は手法カタログのタイムラインを使ったふりかえりの共有のページにまとまっています。この記事は、なぜその形なのかを考える読み物です。

チームより大きな単位でふりかえる

ふりかえりの話は、たいていチーム単位です。5人前後で、毎週なり隔週なり、同じ人たちが集まる。けれど、もう少し大きな単位でふりかえりたい場面もあります。部やグループ、あるいは組織全体。年度の終わりなどはその典型でしょう。

人数が増えると、チームのふりかえりのやり方はそのままでは使えません。全員が発言する時間は取れませんし、全員の経験を1枚のボードに集めても読めたものではありません。

この手法は、YWT・アクションプランの作成・SMARTな目標・1年のふりかえりを組み合わせて、その規模でも成立するように作ったものです。

1人1レーンで、同じ時系列軸の上に並べる

やることは、YWTの「やったこと」「わかったこと」を、タイムラインの上に書き出していくことです。ポイントは、全員が同じ時系列軸を共有して、1人1レーンで書くところにあります。

レーンには名前を書きます。やったことと、わかったことは色を分けます。付箋を貼っていくと、同じ期間に組織の中で何が起きていたのかが、横に並んで見えるようになります。

書き出しは15〜20分ほどで切り上げます。残りの時間は他の人のタイムラインを眺める時間に使ってください。この時間こそが、この手法の中心です。同じ組織にいながら、隣の人が何をしていたのかを知らないというのはよくあることです。並べて眺めてはじめて、組織でどんなことがあったのかが俯瞰できます。

思い出しに詰まったときも、周りを見にいってかまいません。他の人の付箋がきっかけになって、自分の記憶が戻ってくることがよくあります。

つぎやることは、自分と組織の両方で考える

体験や学びをどう活かすかを、できるかぎりSMARTに考えます。ここでは、組織のミッションやビジョンを自分なりにとらえたうえで、自分は今後どうしたいのかと、組織として今後どうしたいのかの両方を考えます。

共有はひとり1分程度。15人以上いる場合はランダムにグループを分けてもよいのですが、できるかぎり時間をとって全員で共有したほうが、組織としての一体感は高まります。ここでは批判も否定もせず、それぞれの目標を全員が受け止めます。言いたいことがあれば、別途時間をとってフィードバックしてください。

上司へのフィードバックの5分

この手法でいちばん特徴的なのが、最後に置いた上司や管理職へのフィードバックの時間です。

プラスのフィードバック、マイナスのフィードバック、そして上司への期待を書きます。参加者は無記名で付箋に書き、ホワイトボードに貼り出します。種類によって色を分けるとよいでしょう。2〜3分で書き終えたら、上司はそのコメントを眺めます。

筆跡や内容から誰のコメントかわかってしまうこともありますが、その部下への評価はせず、真摯に受け止める。これが守られることが前提の時間です。

部下から上司へのフィードバックが普段あまり行われない職場であれば、この時間があるだけで、組織のつながりは目に見えて強くなります。ふりかえりを、上と下の距離を縮める場としても使えるわけです。

誰にフィードバックするか、優先順位を決めてから始める

普段フィードバックをしあう文化がないなら、この時間を多めにとって、上司だけでなくいろんな人へのフィードバックに広げてもよいでしょう。

ただしその場合は、上司>チームメイト>その他といったように、コメントを書く優先順位を先に決めてから始めてください。

優先順位を決めないまま始めると、普段からよくコミュニケーションをとっている人へのフィードバックばかりが増えます。書きやすい相手から書くので、当然といえば当然です。すると、この場で本来やりたかった「組織全体のコミュニケーション活性化」につながる、普段はフィードバックしない相手への一言がおろそかになってしまいます。

道具と場所

フリップチャートやホワイトボードは、たくさん用意しましょう。会場もできるだけ大きく取って、参加者全員がいろんな人のボードを見渡せるようにしてください。眺める時間が中心にある手法なので、見渡せないと成立しません。

年度の終わりなどに、ぜひ組織を活性化させる場として使ってみてください。